組曲『白夜』
「白い妖精(WHITE FAIRY(SNOW)」YAMAHA QY100
この作品は一九六四年(昭和三十九甲辰年霜月)に作つた曲です。
始めはこれほど複合三部形式の長い曲ではなく、二部形式の簡單なもので、「A」を發展させて殘つた「B」の部分は「Trio」に用(もち)ゐてゐます。
曲を作る時、詩と一緒にメロデイが浮ぶ事が多く、それは今でも變りがありません。
その詩も掲載しますが、最初の題名が「白い小人」といふものでした。
けれども、「小人」といふ表現は今では問題があるやうで、曲名は「妖精」の方が良いのではないかと思つて改めましたが、詩の方はもとのままを掲載し、英語ではMIDGET若しくはDWARF(どちらも「小人」の意味でデイズニイの『白雪姫』の七人の小人は「SEVEN DWARFS」になつてゐる)とせず、FAIRY(妖精)としますのでお許し下さい。
事の序(つい)でに言ひますと、この作品は杜斯退益夫斯基(ドストエフスキイ・Dostoevskii・1821-1881)の『白夜』がルキノ・ヴイスコンテイ監督によつて映畫化され、それを見て日本の北海道を舞臺にして映畫を撮影したらと考へ、その時の音樂にと作曲したものです。
この外に、
『孤獨・出逢ひ・焚火・白夜』
等があり、いづれ發表したいと思ひます。
ところで、映畫を撮影する時は勿論、卓別林(チヤツプリン・1889-1977)よろしく筆者が主演を務めるつもりでした。
何しろ、まだ若かつたものですから……。
二〇一一年十二月二十日午前四時半