電腦(コンピユウタア)で日本語の文章作法
この作品を讀む時この音樂を聞きながら鑑賞して下さい。
これは自作(オリジナル)の
『Motion1(Metamorphose・cembalo)曲 高秋美樹彦』
といふ曲で、YAMAHAの「QY100」で作りました。
映像は東北の山形懸にある、
『立石寺』
へ出かけた時のものです。
雰圍氣を味はつて戴ければ幸ひですが、
ない方が良いといふ讀者は聞かなくても構ひませんので、
ご自由にどうぞ。
電腦(コンピユウタア)で日本語の文章を書くに當(あた)つて、筆者が氣をつけてゐる事を述べれば、改行に重點(ぢゆうてん)を置く事によつて多くの讀み難(にく)い問題の殆どが解決されるものと思はれるのであるが、更に詳しくいふと、句點(くてん)ごとに改行するのが、讀者には親切な對應(たいおう)であるやうに思はれ、糅(か)てて加へて、段落には二段の空白(スぺエス)があれば、この後で示すやうにより一層に讀み易くなる事受合ひである。
といふのも、コンピユウタアの場合の文章は大抵が横書きで、それに對して日本語の文章の基本は縱書きであるから、文章がある程度詰つてゐても上から下へと問題なく目で追ふ事が出來るが、歐米の文章のやうに左から右へと移動して讀む文章には適してゐないやうに感ぜられる。
その理由として考へられるのは、字母綴(アルフアベツド)が分ち書きであるといふ事と關係が深いやうに思はれ、日本語のやうに膠著(かうちやく)語で分ち書きをしない文章は縱書きに向いてゐるのだと思はれる。
その向き不向きの違ひを、試しに縱書きで表記されたアルファベツドの文章を想像して見ると諒解されるのではないかと思はれる。
幸ひ、日本語は縱書きにも横書きにも對應出來るので、横書きが基本であるコンピユウタアにも難なく適應する事が出來たが、先程も述べたやうに縱書きと同じ條件(でうけん)でといふ譯には行かない。
第一、横書きの場合は日本語では左から右ではなく、右から左へと表記するのが正しいあり方で、これは以前にも述べた事だが、例へば教科書などで「算數・理科・社會」の表紙には左から右へと横書きで印刷されてゐるが、「國語」の教科書だけは縱書きで印刷されてゐるばかりでなく、「算數・理科・社會」が横書きで左から右に表記され、左に開いて讀んで行く。
ただ、「國語」だけは縱書きで右に開いて讀んで行く。
そこで「算數・理科・社會」のやうに表紙を横書きにすると、右開きであるのに右から左へと、
「國語」
といふ表記にする事は、流石に躊躇(ちうちよ)されたのであらうが、だからと言つて、
「語國」
とすると、戰後になつて無理にでも右から左であつた横書きを、左から右へ變(か)へてしまつた言ひ譯が立たない。
そこで苦肉の策として、「國語」だけを縱書きにするといふ案を採用したのではないか、と筆者は關係者の氣持を忖度(そんたく)するのである。
今でも神社などの額を見れば、右から左へ書かれた横書きの書を見る事が出來る。
さて、それでも句點(くてん)ごとに改行する事に不滿を持たれる御仁は結構多いのではないかと思はれる。
無理強ひをする氣は筆者にはない。
勿論、その權限もないのであるから、誰もそれに從ふ必要はないのであるが、ただ言論の自由といふその一點で筆者にこれを言はしめてゐるのである。
それに馴れてみれば、横書きもそれなりに良い面もある。
上から下へ移動(スクロオル)するといふ機能からすれば、横書きの方が利に適つてゐる氣さへするのである。
當然(たうぜん)、電腦書籍などが普通の日本の本のやうに捲(めく)るといふものがコンピユウタア上でも普及すれば、選擇肢が廣がつて豐かな表現手段を手に入れられる事だらう。
ところで、筆者は假名遣(かなづかひ)ばかりでなく、難しい言葉を選んででも使ふやうにしてゐるが、それは言葉は使はなければ死んで仕舞ひ、使ふ事によつて滲透(しんとう)して行くと考へるからである。
從つて、傳はれば良いといふ安易な態度ではなく、正しい言葉を使はなければならないと注意を拂(はら)ふのは至極當り前だと言へるだらう。
これが筆者が聞き慣れない難しい言葉で表現する理由のひとつであり、今ひとつは何かと言へば、それは勉學の途上であるからといふ事に盡(つ)きるのである。
二〇一五年六月十三日午後五時四十五分 店の二階にて
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