一月一日
正月を迎へて
若水といふも寢覺めの晝の膳 無空
わかみづと いふも ねざめの ひるのぜん
C♪♪♪♪ †ζ┃γ♪♪♪♪♪♪ †┃♪♪♪♪†ζ┃
近くの長嶋神社へ年末年始のカウントダウンへ出かけたので、正月は晝(ひる)前まで寢てしまつた。
實(じつ)は妻が去年の十二月の中旬に、『霧島酒造百周年キヤンペエン』の應募(おうぼ)に當(あた)つて、豪華なお節の三段重が我が家に屆いた。
それを雜煮(ざふに)と一緒に、晝食(ちうしよく)として感謝しながらいただいた。
勿論、食前には福茶を味はつたのはいふまでもない。
「若水(わかみづ)」は西行(1118-1190)の和歌にもあるやうに、元日の朝に初めて汲む水の事をいふが、本來、立春に宮中で水を天皇に奉じたのが始まりといひ、神棚に供へた後に邪氣を除かうと、家族の食事とか、茶を立て(福茶)、口を漱いだりしたといふ。
その水は、年男がまだ人に会わない朝の早い内に、清水とか手近の井戸で汲むのだが、女性の役目といふ地域もあるさうで、季語としては別に、
「井華水(せいくわすい)・初水(はつみづ)・福水(ふくみづ)・一番水・若井(わかゐ)・井開(ゐびらき)、若水桶・若水汲・若水迎へ」
ともいふ。
現在では田舎にでも行かなければ井戸などにはお目にかかれず、それも大腸菌の檢査などの衛生面で飲水としては適當ではなく、都會(とくわい)に倣(なら)つて水道水を利用してゐるので、情緒のないこと夥しい限りで……ゴホン!
新年明けましてお芽出たう御座います。
本年も宜しくお願ひ申し上げます。