一月五日
カラオケ喫茶にて
五日なり人にまぎれて歌ひ初め 無空
いつかなり ひとにま ぎれて う たひぞめ
C♪♪♪♪†ζ┃γ♪♪♪♪♪♪♪┃♪♪♪♪ †ζ┃
初案の上句は「むつみ月や」であつたが、ぼんやりと陰暦一月全般をいふよりも、「仕事始め」の日とも言はれる『五日』と限定した方がくつきりするとの考へから最終案とした。
『五日』は季語としては新年の一月五日の事で、『三が日(一日・二日・三日)』以降の『四日』に續いていひ、これは『六日』から人日(じんじつ)の『七日』までが歳時記に記載されてゐる。
下句の「歌ひ初め」とは、今年初めてカラオケ喫茶で歌を唄つたといふ意味であるが、一般には新年に初めて謠曲を謠(うた)ふ事を『謠初(うたひぞめ)』と言つて、江戸時代には正月三日に江戸城中で行はれたといふぐらゐだから、本當(ほんたう)は『歌初』と表記したいと思つたのだが、譲歩する事にした。
一年以上前から、あるカラオケ喫茶で月一囘のワンマンシヨウの撮影を依頼されてゐて、それは一時間程のものであつたが、若かりし頃に難波の店で短い期間であつたが歌つてゐた事があり、それが再燃していつしか歌ひに通ふやうになつてしまつた。
近くの店に出かけて、今日が今年の初歌ひとなつた。