一月十三日 雪の舞ふを見て
心の闇に踊るが如く雪が舞ふ 無空
こ ころ のやみに おど るが ごとく ゆ きがまふ
C♪♪♪♪♪♪ †┃♪♪♪♪♪♪†┃♪♪♪♪†ζ┃
この句の初案は「暗闇に心躍るが如く雪が舞ふであつた。
次に「心眼に踊るが如く雪の舞ふ」と詠んでは見たが、上句の「心眼に」が思はせぶりに感ぜられて最終案となつた。
それもこれも「舞ふ雪」といふ言葉が浮んだのが契機となつてゐる。
上句の七音の字餘りで中句の態となつてしまつたから、
「C♪♪♪♪†ζ」
このやうな上句の音型として必要な四分休符(ζ(代用です)=♪+♪)が不足して餘情が與へられなくなつたものの、延音記號(フエルマアタア)でそれを補ふ事で解消出来るものと考へてゐる。
夜の七時過ぎになつて、お客が店に入るなり服を拂ふ仕種をしたので、
「えツ!」
といつて表へ出ると豫報で降ると聞いてゐた雪が、ばらまかれてでもしたかのやうに闇に舞つてゐた。
※
この處、自分の自由になる時間がなくて、これだけの事を書くのに二日もかかつてしまつた。
雪が大好きな筆者にとつては、もどかしい思ひでこれを書いてゐた。